5文型と7文型の違いを明示し、英語の基本文型としてはいくつかの文型を認めるのが適切であるかを、具体的な証拠を積み重ねて論じなさい
英語の基本文型に関する考察
―5文型と7文型の比較を中心に―
1. はじめに
英語を学習する際、私たちは一般に「5文型」を用いて文の基本構造を学ぶ。しかし、実際の英語使用においては、5文型だけでは十分に説明できない文が存在する。近年では、5文型に加えて、動詞が要求する「場所」や「時間」などの要素を明示的に扱う「7文型」という考え方が、英語の構造をより正確に表すものとして注目されている。
本レポートでは、5文型と7文型の違いを明らかにしたうえで、英語の基本文型としていくつの文型を認めるのが適切であるかについて、具体的な例を挙げながら論じる。
2. 5文型と7文型の違い
5文型と7文型の最大の違いは、**「場所や時を表す語句」**の扱いにある。5文型では、これらは修飾語(M)として扱われ、文の主要な構成要素には含められない。一方、7文型では、これらを A(Adverbial:副詞的要素) とし、文を成立させるために不可欠な要素として位置づける。
このような考え方は、動詞がいくつの要素を必要とするかという「項構造(valency)」を重視する立場に近く、動詞の意味と文構造の関係をより明確に示すことができる。
【比較表】
| 文型の名称 | 文の形(要素) | 例文 |
|---|---|---|
| SVA | 主語+動詞+場所など | She is in the kitchen. |
| SVOA | 主語+動詞+目的語+場所など | I put the bag on the chair. |
3. なぜ「7文型」が必要なのか(具体的な証拠)
① その語句がないと文が不完全になる
5文型では、副詞句は修飾語であるため、原則として省略可能であるとされる。しかし、以下の例を考えてみる。
- He lives in London.
- I stayed at the hotel.
ここで in London や at the hotel を省くと、He lives. や I stayed. となり、文法的には成立するものの、意味内容が著しく不完全である。これらの語句は単なる「おまけ」ではなく、動詞 live や stay が要求する必須要素であり、文の完成に欠かせない部分であることが分かる。
② 動詞の意味が文型によって明確になる
次に、「置く」という意味をもつ put を見てみる。
- I put the book.(× 不自然)
- I put the book on the desk.(○ 自然)
put は「何を」「どこに」置くのかを必ず伴う動詞である。5文型ではこの文を SVO として扱うため、「どこに」という要素の必須性が十分に説明できない。しかし、7文型の SVOA を用いれば、put が目的語と場所を同時に要求する動詞であることが明確になり、動詞の意味と文構造の対応関係を正確に示すことができる。
③ 状態や存在の内容を正確に表現できる
The cat is under the table. という文を考えると、5文型では SVC や SV として処理されることが多い。しかし、その場合、「猫がどのような状態にあるのか」という情報が十分に表現されているとは言い難い。
7文型の SVA として「場所」を必須要素として捉えることで、「猫がテーブルの下にいる」という具体的な存在状態を正確に記述していることが明確になる。
4. 結論
5文型は構造が単純で理解しやすく、英語学習の導入段階において非常に有効な枠組みである。しかし、動詞によっては場所や時間などの要素が文の成立に不可欠であり、5文型だけではその特徴を十分に説明できない場合がある。
7文型のように、文の完成に必要な副詞的要素を明示的に認めることで、動詞の性質や文の意味構造をより正確に捉えることが可能となる。したがって、英語の基本文型は5文型に限定するのではなく、学習段階や分析目的に応じて、5文型と7文型を使い分けて捉えることが最も適切であると結論づけられる。