佛教大学の英文法(P6303)、科目最終試験②

②「「ゆうべ映画をみた」の「みた」をsaw, looked at, watchedで書き分けたとき、それぞれ意味はどのように異なるか明らかにしなさい。


報告書:視覚動詞(saw, watched, looked at)の使い分け分析

1. 目的

日本語の「みた」という表現に対し、英語の saw, watched, looked at が持つ概念的な差異を明確にし、文脈に応じた適切な書き分けの基準を提示する。

2. 各動詞の意味的定義

動詞意味の核心視線の状態
saw視界に入る(受動)映像や光が自然に目に入り、対象を認識する。
watched動きを追う(能動)変化する対象を、一定時間集中して追い続ける。
looked at視線を向ける(方向)意識を特定の「一点」に集中させ、静止画的に捉える。

3. 「映画をみた」における具体的な意味の差異

同じ「映画をみた」という状況でも、選ぶ動詞によって「どこで、どのように」見たかの前提が異なります。

① I saw a movie last night.

  • 意味: 「映画を(作品として)一本観た」
  • 分析: see は映画館などの大きなスクリーンで上映されているものを「体験」する場合に最も適しています。巨大な映像が自然と視界を覆うため、受動的な see が使われます。
  • 書き分けの基準: 映画館に行った事実や、作品全体を一つの出来事として述べる場合。

② I watched a movie last night.

  • 意味: 「映画を(画面で)じっくり観た」
  • 分析: watch はテレビやスマートフォンの画面など、小さな対象の「動き」や「変化」を注視する場合に使われます。
  • 書き分けの基準: 自宅で配信サービスやDVDを観た場合や、物語の展開を注意深く追っていたことを強調する場合。

③ I looked at a movie last night.

  • 意味: 「映画(の映像・素材)を見た」
  • 分析: look at は動くものを追うのではなく、視線をその方向へ向ける動作そのものを指します。
  • 書き分けの基準: 映画の特定のシーンを一時停止して確認したり、映像の質をチェックしたりするなど、分析的・事務的に「視線を送った」場合。

4. 結論:書き分けの判断基準

「映画をみた」を書き分ける際の判断指標は、以下の2点に集約される。

対象の性質: 作品全体を一つの出来事として捉えるなら saw/watched、映像を特定の「静止した対象」や「資料」として捉えるなら looked at

環境(場所): 公共の場や映画館(大規模な受動的体験)なら saw、私的な空間や小さな画面(意図的な注視)なら watched