時間の流れの中で、未来形、現在形、現在完了形、過去形、過去完了形の諸形式の境界は極めて曖昧で学習者に混乱を引き起こしている。これらが互いにどのように異なっているのかを明確に説明できなければ学習者に混乱を引き起こす結果になる。これらの形式の持つ境界部分に焦点を当てながら、その中心的用法と周辺的用法を説明せよ。
英語の時制は、未来形・現在形・現在完了形・過去形・過去完了形など複数の形式から成り立っている。しかし、これらは単に時間を直線的に区切るものではなく、「話し手がどの時点から出来事を捉えているか」という視点の違いによって使い分けられる。そのため、各形式の境界は曖昧になりやすく、学習者に混乱を生じさせる。本稿では、各時制の中心的用法と境界部分に現れる周辺的用法を例文とともに整理する。
1. 未来形(will / be going to
中心的用法
未来形の中心的用法は、発話時点以降に起こる出来事について、話し手の判断・予測・意思を表すことである。
- I will study English tonight.
- It will rain tomorrow.
境界・周辺的用法
確定した予定やスケジュールは、未来の出来事であっても現在形で表されることがある。
- I leave for Tokyo tomorrow.
- The train departs at 7 a.m.
この点で、未来形と現在形の境界は曖昧である。
2. 現在形
中心的用法
現在形は、普遍的事実・習慣・恒常的状態を表す。
- The sun rises in the east.
- I usually get up at six.
境界・周辺的用法
現在形は、未来の意味を持つ場合がある。
- School starts next week.
- We have a meeting tomorrow.
ここでは、「未来」を表しているにもかかわらず、現在形が用いられている。
3. 現在完了形
中心的用法
現在完了形は、過去の出来事が現在に影響を及ぼしていることを表す。
- I have lost my key.
(今も鍵がない) - She has finished her homework.
境界・周辺的用法
経験用法・継続用法では、過去形との区別が問題となる。
- I have been to Kyoto three times.
- I have lived here for ten years.
過去形が過去の一点を切り取るのに対し、現在完了形は「現在から過去を振り返る視点」を持つ点が特徴である。
4. 過去形
中心的用法
過去形は、発話時点から切り離された過去の出来事を表す。
- I watched a movie last night.
- She graduated from college in 2020.
境界・周辺的用法
過去形は、丁寧さや控えめな態度を表すために用いられることがある。
- I wanted to ask you a question.
- Did you need any help?
ここでは、必ずしも過去の意味を表していない。
5. 過去完了形
中心的用法
過去完了形は、過去のある時点よりさらに前に起こった出来事を表す。
- I had finished my homework before dinner.
- She had left when I arrived.
境界・周辺的用法
後悔や仮定の意味で用いられることもある。
- I wish I had studied harder.
- If I had known that, I would have helped you.
この用法では、時間関係より話し手の評価が前面に出る。
まとめ
以上のように、英語の時制は絶対的な時間区分ではなく、話し手の視点によって意味が決定される体系である。各形式の中心的用法と境界部分の周辺的用法を区別して理解することが、学習者の混乱を防ぐ上で不可欠である。
